2014年8月20日水曜日

猫と柚子とロマン



 

猫と柚子とロマン

 


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デンマンさん。。。 今日は なんだか楽しいお話のようですわねぇ~。。。


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小百合さんも、そう思いますかァ~?

だってぇ~、上の写真を見ると思わず笑ってしまいますわァ~。。。

確かに微笑(ほほえ)ましい写真ですよねぇ~。。。

でも、どうして猫と柚子とロマンが結びつくのですか?

あのねぇ~、実は夕べ、僕はバンクーバー市立図書館から借りてきた本を読んでいたのですよ。

デンマンさんは、毎日必ず本を読むのですか?

いけませんか?

別に、かまいませんけれど。。。 もう、バンクーバー市立図書館にある日本語の本は、すべて読んでしまったのではありませんかァ~?

そんなことはありませんよう。。。 しばらく見ないと 必ず、新しい本が日本語の図書の棚に入ってます。 おそらく、日本に帰国する人とかが図書館に寄贈するのでしょうね。 1ヶ月ぐらい経つと、2,3冊新しい本が棚に入ってますよ。

それで、猫と柚子の本があったのですか?

平松洋子さんのエッセーの本に 次のような作品が載っていたのです。

柚子茶


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猫になりたい。
まんまるになってごろんと寝そべって、時間も忘れていつまでも日向ぼっこしていたいよ。

真冬になると、いつもいつもそう思う。
窓から差し込む冬の光、とりわけ昼下がりの日差しは厚い毛布で背中いちめんを抱き込まれたような、そんな慈愛に充ちている。

なにもかんがえず、思い悩まず、ただひたすらぬくもりを浴びていたい。


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そんな冬のひとりの午後、掌のなかに包んでいたいのはほかでもない柚子茶。
コーヒーでも紅茶でもなく、玄米茶でもなく、むしょうに飲みたくなるのは柚子を自分できゅっと搾ってこしらえた柚子茶なのだ。
はて、どうしてだろう。

それは、柚子の香りのなかにお日さまの光を感じるからだ。

おおきな柚子の木、両手を広げた枝にたわわに実を結んだまるい柚子。
無骨に実った柚子の深い黄色は、まるで燦々と降り注ぐ光がそのまま沁みこんでいったかのようだ。

 (中略)

歯の裏側がきゅっとちぢむような酸っぱさをやわらげるのは、砂糖ではない、野山を飛び回って蜂がせっせと集めたはちみつでなければ。
気に入りのはちみつをたっぷり。
そこへ沸かし立ての熱湯を注ぐ。


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火傷しそうな熱い柚子茶を両手に包み、居心地のよい日だまりをみつけて窓際に座る。

白い湯気。

柚子の香り。

口いっぱいに満ちる柑橘の酸味。

外の寒空を見上げて、雲の流れをのんきに見上げる。

ああ、ぬくぬくと溶けていきそう。

まるで猫になったみたい。


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(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)



92-94ページ 『忙しい日でも、おなかは空く』
著者: 平松洋子
2008年9月22日 第1刷発行
発行所: 日本経済新聞出版社



これってぇ~、エッセーですか? なんだか一編の詩のようですわねぇ~。。。



そうですよう。。。 なんとなく詩的な雰囲気が匂うような小文です。

でも、ロマンはどこにあるのですか?

だから、そこですよ。

そこってぇ、どこですか?

あのねぇ~、小百合さんは上の小文を読んで何も感じないのですか?

もちろん、感じますわよ。。。 “猫になりたい。 まんまるになってごろんと寝そべって、時間も忘れていつまでも日向ぼっこしていたいよ”という気持ちは実に同感しましたわ。

うん、うん、うん。。。 確かに、上の小文を読めば誰もがそんな感じを持つかもしれません。。。で、それだけですか?

柚子の香りのなかにお日さまの光を感じるからだ。。。。言われてみれば、確かに私も柚子の香りの中にお日さまの光を感じることがありましたわァ~。。。

他には。。。?

柚子茶を飲みながら抜けるように晴れ渡った冬の青空を見上げるのも気分がすっきりするかもしれませんわねぇ~。。。

うん、うん、うん。。。 確かに、柚子茶からぬくもりが伝わってきて、冬の青空が身近に感じられて、すっきりした気分になるかもしれません。。。 でも、柚子茶から感じるのは、ただ それだけですか?

いったい、デンマンさんは私に何を思い出させようとしているのですかァ~?

小百合さんは、それ以外に柚子茶から何も思い出さないのですか?

だから、デンマンさんは私に何を思い出して欲しいのですか?

いや。。。 僕は別に 思い出の押し売りをしようとしているわけではないのですよう。

でも、なんだか柚子茶に、ずいぶんと拘(こだわ)っているではありませんか?

僕が柚子茶に拘ってはいけませんか?

いいえ。。。 それはデンマンさの勝手ですけれど。。。、なんだか私から柚子茶の思い出を引き出そうとして懸命になっているようですわねぇ~?

うししししし。。。 解りますかァ~?

そのような薄気味悪い笑いを浮かべないで、細木数子さんのようにズバリ!と何を思い出させたいのか言ったらどうですか?

ここまで話してきて、小百合さんが柚子茶から何も思い出せないとしたら、いくら僕が努力しても、もう思い出は、何も出てきませんよねぇ~。。。

デンマンさん! ちょっとしつこいのではありませんかァ! いったい何を思い出して欲しいのですか?

じゃあねぇ~、小百合さんが書いた次の手紙を読んでみてください。


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前略

バレンタインデーに

間に合うように

送ります。

でも、もしかすると

間に合わないかも…

デンマンさんと一緒に食べた

長崎ちゃんぽん。

柚子こしょう」も入れました。


行田の「とんでん」で

茶そばが旨いと言っていた

デンマンさん。

面倒でも5分で茹で上がるので

食べてみてね。

それに今回も

「麺職人」を入れましたよ。

それから、心躍る甘酸っぱさの

フルーティMINTIA!

最近、私はカバンに入れて

持ち歩いてます。

デンマンさんの

迷惑そうな顔が

思い浮かびます。


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でも、1年に一度ぐらいは

女の子の気持ちになって

ルンルン気分で

スキップしながら

舐めてみてください。

うふふふふ。。。

うららかな春のバンクーバーの

街を歩きながら。。。

また、フードストアに向かう

買いものついでに。。。

それから、思いつくままに

チョコレート、即席うどん

山菜そばを入れました。

日本の味を懐かしみながら

食べてみてくださいね。 

では。。。

早々


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小百合より

2011年2月3日



『愛とロマンの小包』より
(2011年2月20日)
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あらっ。。。 これは3年前のバレンタインの小包の中に入れた手紙ではありませんかァ!



そうですよう。。。 まだ3年しか経ってないのですよ。

3年はネットでは一昔ですわァ。。。 でも、この手紙で書いているのは柚子茶ではありませんわァ。 “柚子こしょう”ですわァ。

確かに、そうです。。。 でもねぇ~、「柚子茶」の“柚子”から「柚子こしょう」はすぐ連想できるでしょう!?

“柚子こしょう”は飲み物ではありませんものォ~、連想できませんわァ。

だから、飲み物で連想するのじゃなくて、言葉で連想するのですよう。。。 あのねぇ~、僕は思うのだけれど、小百合さんは めったに感動しないのですよねぇ~。

どうして、そう思うのですか?

だってぇ~、僕は「柚子茶」の“柚子”から「柚子こしょう」をちゃんと連想できるのですよ。 それで、小百合さんが書いた手紙を思い出したのだから。。。

ただ、それだけのことでしょう?

やだなあああァ~、ただそれだけじゃありませんよう。 そもそも 小百合さんが「柚子こしょう」をバレンタインの小包の中に入れてくれたのはなぜですか?

確か。。。 産業道路(埼玉県道ルート66)沿いにあった「長崎ちゃんぽん」でデンマンさんと一緒にちゃんぽんを食べた時に デンマンさんが「柚子こしょうドレッシング」の味にしびれたのでしたよねぇ~。。。

そうですよ。 僕は、あの味が忘れられなくなったのですよう。

どうして。。。?

だから、小百合さんと一緒に食べたロマンの味だからですよ。 うへへへへへへ。。。

また、そのように薄気味悪い笑いを浮かべないでくださいなァ。。。 つまり、私がその事をすっかり忘れているので、私は冷淡で感動に乏しい女だとデンマンさんは言うのですかァ~?

少なくとも、僕の方が その時の事をロマンとして印象強く記憶に留(とど)めていたということですよ。 要するに、小百合さんは、めったに感動しないのですよ。。。

あらっ、そうかしら。。。?

そうですよう。。。「これってぇ、メチャおいしいわ!」と小百合さんが言うのを聞いたことがありませんよ。

でも、デンマンさんのようにお店で大きな声を出すのってぇ、みっともないでしょう!?

でかい声で言わなくとも、さりげなく言うことだってできるでしょう。。。軽井沢タリアセン夫人であることにこだわって小百合さんは感情を抑えているわけですか?

いいえ。。。そういう訳ではありませんわ。

もしかすると女子高時代の癖が抜けないのかも知れませんよねぇ~。

女子高時代の癖ですか?

そうですよう。。。忘れてしまったのですか? 次のように書いていたでしょう!

[793]RE:夢とロマンの女神、万歳!
Name: さゆり
Date: 2008/12/10 15:46
Pacific Standard Time
(バンクーバー時間:
2008年12月9日 午後10時46分)
 

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小さい頃 小学生時代は
ケンカは負けが多く くやしかった。
菊ちゃんなんて 大人になっても
くやしい事 多かったかも。
高校生 になると ガがつよくなり
ケンカをして 負けても
くやしい などと 顔にも 出さない。
冷たい冷淡な子 に成ろう と思っていた。 

そんな 高校時代を経て 
今 大人。 子供や大切な人に
愛情をそそげる自分になった。




『杜の都と女の学園』より
(2009年3月18日)



あらっ。。。デンマンさんはよく覚えていますわねぇ~。



もちろんですよ。 小百合さんの内心に触れたように思いましたからね。 うししししし。。。

でも、デンマンさんは女心を理解していませんわ。

。。。ん? 女心を理解していない?

そうですわ。。。女は感情を抑えていても、めれんげさんのように心のどこかで素直に感情を表現したいという気持ちがあるものですわ。

ほおォ~。。。小百合さんにも、そのような気持ちがあるのですか?

もちろんですわ。。。だから、私はかつて次のように書いてしまったのですわ。

今、一番居なくなって

困る人




前略

まだ1月、寒さが続きますね。
入院などしないように。

今、一番デンマンさんが居なくなると困ります。
その次が私の髪の毛をストレートにしてくれる
パーマ屋の人。

その次が長~い付き合いの歯医者さん。

私の事を良く知って頼っていた人が急に居なくなると困ります。

父のように、もう会えないのは困ったです。
乱筆ですいません。

早々

小百合より

2008年1月7日



『武蔵と卑弥子さん』より
(2009年6月20日)



普通の状態の私ならば、このような事は書かないのですわ。



でも、めれんげさんのように感情を表現したと言うほどの事ではないですよ。 感情を表現するというのは、たとえば次のような歌を詠むと言う事ですよ。




 

やわ肌の

あつき血汐に

ふれも見で

さびしからずや

道を説く君


 

by 与謝野晶子



『熱き肌』に掲載
(2010年3月12日)

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くちづけ

 


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罪深き

ことと知りつつ

この夜も

きみのくちづけ

もとめて止まぬ


 


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by めれんげ

2009.01.14 Wednesday 14:21



『即興の詩 冬枯れ』より

『めれんげさんと六条の御息所』に掲載
(2010年2月12日)



分かるでしょう! 感情を表現するというのは与謝野晶子の愛欲が迸(ほとばし)る和歌とか、めれんげさんの赤裸々な激情の告白のことを言うのですよ。



感情表現は人それぞれによって異なるものですわ。 与謝野晶子さんや、めれんげさんのように情熱を情熱のままに表現する女性が居るかもしれません。 でも、いつも感情を抑えている人にとっては「今、一番デンマンさんが居なくなると困ります」ということを書くことさえ“清水(きよみず)の舞台から飛び降りる”ほどの決断を必要とするのですわ。 もし、デンマンさんがブログで公開すると知っていたら、私は絶対に書きませんでしたわ。

ほおォ~。。。、小百合さんにとって、ただそれだけの事を言うのに“清水の舞台から飛び降りる”ほどの決断を必要としたのですか?

そうですわ。

感情を表現するというのは、それほど女性によって違うものですか?

そうなのですわ。

う~♪~ん。。。なるほどねぇ~。。。

何がなるほどねぇ~なのですか?

あのねぇ~、確かに与謝野晶子の愛欲が迸(ほとばし)る和歌とか、めれんげさんの赤裸々な激情の告白は素晴らしいものですよ。 でもねぇ、考えてみたら小百合さんの感情表現も素晴らしいですよ。

そうでしょうか?

そうですよ。 次の3行に込められた小百合さんの感情表現も、読み返せば読み返すほど味わい深いものだと、しみじみと思いましたよ。


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デンマンさんと一緒に食べた

長崎ちゃんぽん。

「柚子こしょう」も入れました。




それは、デンマンさんが勝手にそう思い込もうとしているだけですわ。



でも、それでもいいじゃありませんか! 僕にとってはロマンなんだから。。。



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【卑弥子の独り言】


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ですってぇ~。。。
あたくしも 「柚子こしょう」で長崎ちゃんぽんが食べたくなってきましたわァ~。
あなたは どうですかァ?

でも、あたくしは 「柚子こしょう」の代わりに、まず Tom Yum Paste でちゃんぽんをいただいてみたいと思いますわ。
Tom Yum Paste がどのようなものなのか?
知りたかったら次の記事を読んでくださいませ。。。


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『泰国酸辣醤のロマン』

Tom Yum Goongは とっても美味しそうでしょう!?
でも、ちゃんぽんは、この暑い日には 食べるのが大変なんでござ~ますわ。
なぜなら、あたくしは、ものすごく汗かきなのでござ~ますもの。。。

だから、この際、あたくしは 具のたくさん入った“あんかけ焼きそば”を食べようと思いますゥ。
これは、あたくしの大好物ですのォ。
おほほほほほ。。。

あなたのために、作り方を教えますわねぇ。


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どうですか? 美味しそうでしょう?

では、小百合さんのお話に戻りますけれど、
どうして「軽井沢タリアセン夫人」と呼ばれるのか?
ご存知でござ~♪~ますか?

実は簡単な事なのですわよう。
小百合さんは軽井沢に別荘を持ったのですわ。
小さな頃から軽井沢に住むことが夢だったのですってぇ~。。。
分からない事ではござ~ませんわ。

そもそも小百合さんが軽井沢に興味を持ったのは、朝吹登水子のエッセーなどを読んだことがきっかけだったとか。。。

現在、朝吹登水子の山荘、睡鳩荘(すいきゅうそう)は軽井沢タリアセンに移築されて公開されています。


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それで、小百合さんは軽井沢タリアセンを訪れては睡鳩荘に足を運んで少女の頃の事を思い出すのが楽しみなんですってよ。

そういう訳で、デンマンさんが小百合さんのことを「軽井沢タリアセン夫人」と呼ぶようになったのですわ。

軽井沢・雲場池の紅葉



軽井沢のイルミネーション



秋の旧軽井沢銀座ぶらり散歩



とにかく、明日もデンマンさんが興味深い記事を書くと思いますわ。
だから、あなたも、お暇なら、また読みに戻ってきてくださいまし。
じゃあねぇ~~。


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