2014年2月15日土曜日

松茸と靴下

 
 
松茸と靴下
 


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デンマンさん。。。 松茸と靴下なんてぇ、マジで奇妙な組み合わせですわね。 どういうつもりで“松茸と靴下”というようなタイトルにしたのですか?


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小百合さんにとって、松茸と靴下は奇妙な取り合わせなのですか?

だってぇ、松茸は食べることができますけれど、靴下はデンマンさんじゃなければ誰も食べませんわ。 (微笑)

やだなあああァ~。。。 僕だって靴下までは食べませんよゥ。

デンマンさん以外に、どなたか靴下を食べる人でも居るのですか?

いや。。。 僕の友人にも、知り合いにも靴下を食べる人はいませんよう。

そうでしょう! だから、“松茸と靴下”というのは奇妙な組み合わせなのですわ。

でもねぇ~、バンクーバーでは“松茸と靴下”というのは奇妙な組み合わせではないのですよ。

あらっ。。。 そうなのですか? じゃあ、そこのところを詳しく伺いたいですわ。

じゃあ、その前に まず次の小文を読んでみてください。

ハイジが愛飲した山羊の乳


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『アルプスの少女ハイジ』といえば、日本の正しい青少年にとっては児童文学の聖書とも言うべき名作。
わたしの世代は本を通して、もっと若い世代はアニメのお陰で、アルプスの山々に抱かれて逞しく成長していく孤児ハイジの物語に心奪われた経験を共有している。

 (中略)

ハイジの物語のなかには、山羊のお乳がふんだんに出てくるのだ。
まず、ハイジが初めて山小屋にあずけられた日、おじいさんは手作りチーズの塊を長い火箸に突き刺してこんがりと焙ってくれる。
そして搾りたてのまだ温かい山羊の乳を飲ませてくれる。
一日中歩いて喉が渇いていたハイジは一息で乳を飲み干し、
「こんな美味しいお乳、あたし飲んだことないわ」
と歓声の声をあげる。

 (中略)

これを読んだわたしが、いやきっと多くの少年少女が、一度でいいから山羊の乳を飲んでみたいものだと思ったのは当然のことだろう。


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でも、小学校3年生までを過ごした日本でも、その後住んだプラハでも、その機会はなかなか訪れなかった。

14歳の夏、両親に連れられてアルバニアの海岸で1ヶ月を過ごした。
そこの宿に泊まって最初の朝食に出たミルクを一口飲んで、
「なんだ、こりゃ!!」
強烈な腋臭(わきが)みたいな臭いに鼻面を一撃された。
「山羊のお乳ですってよ」
母に言われてたちまちハイジの物語を思い出し、「美味しいに違いない、美味しいはずだ」と懸命に思い込もうとするのだが、嗅覚と味覚は拒絶反応を起こしている。
鼻をつまんで残りのミルクを飲み干した。



(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)



112-114 ページ 『旅行者の朝食』
著者: 米原万里
2002年6月10日 第2刷発行
発行所: 株式会社 文藝春秋



あらっ。。。 デンマンさんにしては「ハイジの物語」なんてぇ、可愛らしいお話を持ち出してきましたわね。



小百合さんも『アルプスの少女ハイジ』を読みましたか?

私は子供と一緒にアニメを見ましたわ。

じゃあ、子供と一緒に山羊の乳も旨いと思って飲んだのですか?

いいえ。。。 山羊のお乳はクセがあると聞いていたので、まだ一度も飲んだことがないのですわ。 デンマンさんは飲みましたァ~?

いや。。。 僕もねぇ~、山羊の乳は臭いがきついということを聞いていたので、これまでに飲んだことは一度もないのですよ。 でもねぇ~、上の箇所を読んだら、米原万里さんが 腋臭の臭いのする山羊の乳を鼻をつまんで最後まで飲んだというのを知って、これは一度ぐらいは経験してみるべきだと思ったのですよ。 (微笑)

デンマンさんも、物好きですわねぇ~。。。 それで、近くのスーパーで山羊の乳を買い求めたのですか?

いや。。。 まだ探してみてないけれど、今度、ジョーのスパーマーケットに行ったら探して買うつもりですよ。


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上の宣伝のチラシを見てください。 “Deliciously Mild”と書いてあるでしょう! “美味しくてマイルドで口当たりがいいですよ”と書いてあるわけですよ。 飲み易くしてあるに違いないと思ってね。 上の写真を見る限り、なんとなく旨そうじゃないですかァ!



特に口当たりが良くなるように臭いを消してあるとは、私には思えませんわ。 デンマンさんの体験談をぜひ聞きたいものですわ。。。で、山羊のお乳と「松茸と靴下」が関係あるのですか?

関係大有りなんですよ。

どのように。。。?

あのねぇ~、日本では松茸は高級食材ですよ。 とても毎日食べることができるものではない。

でも、最近は、とっても安い松茸が海外から手に入りますわ。

うん、うん、うん。。。 聞いたことがありますよ。 でもねぇ~、食べた人に聞くと外国産の松茸は柄が大きくて、味が大味で、日本の松茸のような、しみじみと心に染み込むような香りがないと言うじゃありませんかァ!

。。。で、カナダでも松茸が手に入るのですか?

手に入るのですよ。 でもねぇ、柄が大きくて、味が大味で、日本の松茸のような、しみじみと心に染み込むような香りがないのですよ。 でも、松茸らしい香りが間違いなくしますよ。 

それで。。。?

あのねぇ~、ジューンさんが日本へ行ったことは何度かあるのだけれど、まだ松茸のお吸い物を飲んだことがないと言うのですよ。


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それでデンマンさんが日本食のレストランへジューンさんを連れて行ったのですか?



いや。。。 僕の知り合いがブリティッシュ・コロンビア州で取れた松茸を5本ばかりくれたのですよ。 だから、ジューンさんを呼んで僕が松茸のお吸い物を作ることにしたのです。

あらっ。。。 松茸のお吸い物を作ってあげて ジューンさんをナンパしようとしたのですか?

やだなあああァ~。。。 僕とジューンさんの付き合いはナンパしようとか。。。 桃色遊びをするとか。。。 そのような半端な付き合いではないのですよう。 心に染み入る松茸の香りのような 高尚な付き合いなのですよ。 (微笑)

それで、ジューンさんのために 松茸のお吸い物を作ってあげたのですか?

そうしようと思ったのですよ。 僕も小百合さんのように あまり料理は得意じゃないのだれど、吸い物ぐらいは作れますよ。 カレーを作ることを考えれば、吸い物ぐらいは簡単です。

でも、お吸い物に凝る人は、お吸い物を作るのは名人の業(わざ)が必要だと言いますわァ。

あのねぇ~、何も僕は一流の日本料理のコック長を目指して修業しているわけじゃないのだから、松茸を入れて それらしいお吸い物に仕上げれば それで充分なのですよ。

。。。で、ジューンさんの反応はどうでした?

あのねぇ~、それが作る前に、ジューンさんが「松茸を見せてちょうだい」と言ったので、「ほらァ、こういうものだよ」と言って見せたのですよ。

そしたら。。。?

心に染み入るような香りが素晴らしいと何度もジューンさんに話していたものだから、米原万里さんが山羊のお乳を飲むことを心待ちにしていたように、ジューンさんも かなり期待していたわけですよ。

それで。。。?

ジューンさんがしみじみと松茸の香りをかいだのですよ。 ところが、急に顔をしかめると、これまで一度も見たことないような すごい形相(ぎょうそう)を浮かべて「なにィ~、これぇ~!!」と吐き捨てるように言ったのですよ!
 
 

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なにィ~、これぇ~!
 
 
この匂い! んもおおおォ~

 
 

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どうしたのですか?



僕だってジューンさんの反応は意外でしたよ。 だから、「いったい、どうしたの?」と尋ねたのです。

そしたら。。。?

ジューンさんは言うのですよ。 「これは心に染み入るような香りなんかじゃない! 1週間、はき続けたソックスの臭いじゃないのォ~! んもおおおお~!」と言うのですよ! 


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僕はねぇ~、そのジューンさんの反応に意外と言うよりも、なんだか日本人の誇りを傷つけられたような気分でしたよ!



あらっ。。。 それってぇ、マジですか?

ジューンさんは、そのような時に冗談を言わない人ですからねぇ。 純粋に素直な反応だったのですよう。

でも、松茸の あの心に染み入るような香りを「1週間、はき続けたソックスの臭い」と言うのは、意外ですわね!?

。。。でしょう? 米原万里さんが山羊のお乳を初めて飲んだ時に“腋臭の臭いがする!”と思ったと言うけれど、僕にしてみれば、ジューンさんが僕に向かってそう言ったようなものですよ。

じゃあ、お吸い物を作るのをやめにしたのですか?

当然でしょう! 僕だって、それを聞いたら作る気がしなくなってしまいましたよ。

。。。で、どうしたのですか?

仕方ないから、ラヴィオリの創作カレーを作ってジューンさんと一緒に食べました。


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『ラヴィオリ・カレー』



松茸の香りが「1週間、はき続けたソックスの臭い」と言うのは、ジューンさんの個人的な感想なのではありませんか?



僕もそうだと思ったのですよ。 ところが、気になったので数日後に ダイアンさんとシルヴィーさんに 松茸の香りを嗅(か)がせたら、二人ともジューンさんと同じことを言うのですよ。 これには、マジで驚いたですね。

カナダ人は松茸の香りが本当に「1週間、はき続けたソックスの臭い」と感じてしまうのですか?

そうらしいのですよ。 ハイジが一日中歩いて喉が渇いて 一息で山羊のお乳を飲み干し、「こんな美味しいお乳、あたし飲んだことないわ」と歓声の声をあげる。 それを読んだ米原万里さんが、それ以来 一度ぜひ山羊のお乳が飲みたいと思う。 多分、誰だって、そう思うでしょうね。 ところが、いざ、山羊のお乳に出くわしてみると、強烈な腋臭(わきが)みたいな臭いに鼻面を一撃されたのですよ。

ジューンさんもデンマンさんから松茸を手渡されて米原万里さんと同じような経験をしたわけなのですわね。 うふふふふふ。。。

そういうことですよ。 だから、僕はぜひともジョーのスパーマーケットで山羊のミルクを買って自分で経験してみることにしますよ。



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【卑弥子の独り言】


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ですってぇ~。。。
あなたは山羊のお乳を飲んだことがござ~♪~ますかァ~?
あたくしは 好奇心に駆られて山羊のお乳をいただいたことがござ~ますわァ。
やっぱり、ちょっとクセのある臭いがして慣れるまでは大変でした。
でも、慣れてしまうと、それほど気にならないものでござ~ますう。
あなたも試してみたらいかがですか?

ところで、どうして小百合さんが「軽井沢タリアセン夫人」と呼ばれるのか?
ご存知でござ~♪~ますか?

実は簡単な事なのですわよう。
小百合さんは軽井沢に別荘を持ったのですわ。
小さな頃から軽井沢に住むことが夢だったのですってぇ~。。。
分からない事ではござ~ませんわ。

そもそも小百合さんが軽井沢に興味を持ったのは、朝吹登水子のエッセーなどを読んだことがきっかけだったとか。。。
現在、朝吹登水子の山荘、睡鳩荘(すいきゅうそう)は軽井沢タリアセンに移築されて公開されています。


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それで、小百合さんは軽井沢タリアセンを訪れては睡鳩荘に足を運んで少女の頃の事を思い出すのが楽しみなんですってよ。

そういう訳で、デンマンさんが小百合さんのことを「軽井沢タリアセン夫人」と呼ぶようになったのですわ。

軽井沢・雲場池の紅葉



軽井沢のイルミネーション



秋の旧軽井沢銀座ぶらり散歩



とにかく、明日もデンマンさんが興味深い記事を書くと思いますわ。
だから、あなたも、お暇なら、また読みに戻ってきてくださいまし。
じゃあねぇ~~。


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