2012年7月28日土曜日

ヒシしようよ

ヒシしようよ





わたしの中には悪いわたしが棲んでいる。
こまっしゃくれた子どもはいまも苦手だし、かといって天真爛漫であれば、それはそれでどうにもうんざりする。
このあいだひどいことがあった。
娘は保育園から帰って、ささやかなおやつを食べていた。
一日園ですごして甘えたかったのだろう。
ビスケットとヤクルトのほかに牛乳がほしい、牛乳をこぼしたから拭いてほしい、拭くのはそのタオルじゃなくてピンクのやつにして、などと次々に要求してくる。
ヤクルトを飲み終わったボトルをさしだして、「これ、かたづけて~」と言ってきた娘に、家事がはかどらずにイライラしていたわたしは、つい「わたしはあなたなのメイドじゃないんだからね」と言ってしまった。

英語の小説では、夫に顧みられなくなった妻などが「わたしは家具じゃないんですからね(I'm not a piece of furniture.)」と文句を言ったりするが、なんだかその手の欲求不満妻のようである。
急にわけのわからない理屈をぶつけられた娘はぽかんとした後にしょんぼりし、沈黙が部屋を支配した。
わたしは口にしたとたん「しまった……」と思っているのに、バツがわるく撤回できず、背を向けたまま夕飯のしたくをつづけた。
……シーン……
トントントントン (包丁の音)
ポリポリポリ (ビスケットをかじる音)
なんとかしなくてはと思いつつ舌がほぐれない。
しばらくすると、「ママ?」と娘が呼んできた。
「ヒシしようよ」



ヒシというのは、彼女の用語で「ハグ」のこと。
「ひしと抱き合う」という言い回しをどこかで聞いて気に入ったらしく、ぎゅっと抱擁しあうことを「ヒシ」という。
わが家では、2歳数ヶ月の子どものほうが母よりずっとおとななのであった。
こういう時ばかりは、わたしの中の悪いわたしは跡形もなく消えてしまう。

(写真はデンマン・ライブラリーより)




97-98ページ 『孕むことば』
著者: 鴻巣友季子
2008年5月22日 第1刷発行
発行所: 株式会社 マガジンハウス




育児経験のある小百合さんにも似たような経験がありますか?



そうですわねぇ~。。。言われてみれば三男坊と似たような経験がありますわ。 子供って意外に母親の気持ちを敏感に感じ取るものですよね。

やっぱり、そうですか。。。

私がパソコンに向かってメールしている時など、三男坊は、かまってもらえないので、いろいろと用事を言いつけるのですわ。 ゲームソフトが無くなっているから探してとか。。。ウルトラマンが見つからないから探してとか。。。ウェブで買い物している時などに、まとわりつかれると煩わしくなって、「すぐ終わるから少し静かにしなさい!」と叱りつけたりするのですよ。 すると気まずくなったりしますよね。

三男坊はすねるのですか?

そうですわね。 沈黙が部屋を支配するのですわ。

。。。で、小百合さんはどうするのですか?

三男坊が不機嫌に黙りこくっている時など、デンマンさんが貼り付けた次の写真を見せるのですよ。





「ねえ、ねえ、ねえ、ちょっと来てみてぇ、面白い写真があるから…」 そう言って三男坊を手招きするのですよ。



やって来ますか?

長い間沈黙が続くと、お互いに沈黙を破るきっかけを作ろうと心のどこかで考えているものですわ。 だから、しばらくして声をかけると飛んでやって来ますわよう。

三男坊は上の写真が気に入りましたか?

気に入りました。 それからは、お互いに気まずい事があってだんまりを決め込む時など、私は上の写真を引っ張り出して三男坊に見せるのですわ。 「ハイ、仲直りしようね」ってぇ。。。

それでハグするのですか?

そうです。 うふふふふふ。。。

上の写真がそんな風に使われているとは思いませんでしたよ。 でも、それもいい話ですね。

デンマンさんは、どうして上のエピソードを持ち出してきたのですか?

以前書いた記事を思い出したのですよ。 小百合さんも読んでみてください。




デンマンさんは、また小百合さんにお会いに行くのでござ~♪~ますか?



そうですよう。。。いけませんか?

だってぇ~、あたくしは、まだデンマンさんにお会いしていないのですもの。

会っているでしょう!こうやってぇ~。。。ウェブカムを通して顔を見合わせながら話しているのですよう。僕の家族を除けば、僕は卑弥子さんに最初に会っているのですよう。

でも。。。、でも、あたくしはデンマンさんから白熊さんのように心から優しいハグを、まだしてもらってないのでござ~♪~ますわ。





この白熊さんのようにですか?



そうでござ~♪~ますわ。

あのねぇ~。。。卑弥子さんは『源氏物語』の世界と現実の世界を混同していますよう。

あたくしがですか・・・?

そうですよう。

デンマンさんは、なぜそのような事をおっしゃるのでござ~♪~ますか?

卑弥子さんは源氏物語の世界にドップリとつかっているから白熊さんのようにハグして欲しいと言うのですよう。





あたくしは、このようにデンマンさんに寄り添って、ロマンチックな気分に浸りたいのでござ~♪~ますわ。



あのねぇ~。。。絵に描いてあるから、それを見て卑弥子さんはロマンチックだと思うけれど、現実に、このようなロマンチックな光景を実現することは無理なのですよう。

どうしてですか?

どうしてってぇ~。。。僕は平安時代の衣装など身に着けていませんよう。上の絵のようなわけにはゆかないのですよう。

だから、あたくしはダサい十二単など脱ぎますわア。それで、次のようにデンマンさんと現代風に抱きしめ合いたいのでござ~♪~ますわぁ~。





あのねぇ~。。。写真で見るからロマンチックになっているけれど、現実には、このようなロマンチックな姿にはならないのですよう。



どうしてですか?上の写真は、とってもロマンチックでござ~♪~ますわ。

上の写真は、そう見えるようにヤラセているからですよう。

現実には、このようにならないのでござ~♪~ますか?

なりません。見る人が見てロマンチックに見えるようにハグしあっている。本人たちは、ヤラセられて、ギャラをもらってポーズをとっているだけですよう。映画とまったく同じですよう。映画のキスシーンと同じですよう。何度も何度もリハーサルして、それらしく見えるまで稽古するのですよう。現実には、そんなことはない。つまり、現実のハグシーンやキスシーンは見ていると、みっともないのですよう。

つまり。。。つまり。。。デンマンさんは、みっともなく小百合さんをハグしたのでござ~♪~ますか?

いや、僕の場合はロマンチックに小百合さんをハグしましたよう。

だったらば、あたくしにもロマンチックにハグしてくださいませ。

ヤダよぅ!

どうしてでござ~♪~ますか?

卑弥子さんは、ハグにこだわり過ぎているからですよう。

小百合さんは、こだわっていなかったのでござ~♪~ますか?

こだわっていませんでした。

どうして、そのような事が分かるのでござ~♪~ますか?

小百合さんが「恥ずかしいわぁ~、もうやめてぇ~」と16才の乙女のように、はにかみながら言ったのですよう。

それは。。。それは。。。デンマンさんがヤ~らしい事をしようとしたからでござ~♪~ますわ。





違いますよう。僕はロマンスポットで小百合さんをハグしたのですよう。そうしたら、大仏様が見ているから恥ずかしいって。。。



。。。んで、デンマンさんはどうなさったのでござ~♪~ますか?





桜並木の土手に出て、2羽の白鳥が優雅に泳いでいるのを見ながら小百合さんをハグしたのですよう。



つまり、小百合さんはデンマンさんにハグして欲しくなかったのに、デンマンさんがハグにこだわっていたのでござ~♪~ますわねぇ~?

違いますよう。小百合さんもハグにロマンを感じていたのですよう。




私は喜んで ハグします。 会えた 喜びを***
Hより もっと 感じて 受け止めますから……



小百合より

2008/9/12 13:46


分かりましたわ。

何が分かったのですか?

つまり、デンマンさんは小百合さんにヤ~らしい事をしようとしたのでござ~♪~ますわ。それで、小百合さんはデンマンさんの気持ちを傷つけないように拒絶したのですわぁ~。

やだなあああぁ~。。。僕は決してヤ~らしい事をしようとしたわけではないのですよう。んもお~~




『心優しいハグ』より
(2008年11月12日)




デンマンさん。。。ある事、無い事を混ぜ合わせながら、ずいぶんと勝手なことを書いていますわね。 うふふふふふ。。。



いや。。。無かった事はなるべく書かないようにしていますよ。 (微笑) 上のメモは間違いなく小百合さんが書いたものなのですよ。

ホントに。。。?

小百合さんは、まだ物忘れする年でもないでしょう! 4年前のことですよ。

忘れましたわ。 それよりも私はデンマンさんのハグが下手なのが印象的でしたわ。

ん。。。? 僕のハグが下手。。。?

そうですわ。 デンマンさんは忘れてしまったのですか?




デンマンさんは次のように書いてましたわね。




今度は古代蓮を見ながら

“Hよりも感じるハグ”をして

再会を喜び合いたいものです。





確かに、このように書きました。



それでデンマンさんはハグにこだわるのですか?

いけませんか?

だってぇ、デンマンさんのハグは、まるでプロレスの胴締めのように肋骨をギュッと締め付けるのですわ。

まさか。。。?

私はいつも死ぬかと思うほど呼吸困難に陥ってしまうのですわ。

それは、ちょっとオーバーではありませんか?

とにかく、いつ会ってもハグをっするのは、いったいどういうつもりなのですか?

やだなあああァ~、小百合さんが「ハグは素敵ですね」と言ったからですよ!

私がですか?

そうですよ!。。。もう忘れてしまったのですか?

そのような事を言ったかしら?

言いましたよ。。。次の写真を見ながら小百合さんはしみじみと言ったのですよゥ。。。





つまり、白熊の真似をしてデンマンさんは私に会うとベアハグをするのですか?



いや。。。ちがいますよ!。。。白熊が人間のハグを真似したのですよ!

とにかく、デンマンさんのハグは肋骨が折れると思うほど締め付けが激しいのですわ。

まさか。。。?

だってぇ~、今年も肋骨の1本がボキッと音をたてましたわ。。。肋骨が折れたと私は思いましたわ。

あのねぇ~、僕はプロレスラーじゃありませんよ。 小百合さんの肋骨が折れるほど強烈なベアハグをしませんよ。

でもとにかく、肋骨がボキッと音を出すようなハグだけは止めていただけませんか!?

だから、それ程に僕は小百合さんとの再会を喜んだわけですよ。

でも、肋骨が折れるのが心配ですわ。

分かりました。 今度は白鳥を優しく抱きしめるようなハグをしますよ。 うししししし。。。




『タリアセン夫人と再会』より
(2011年10月13日)




小百合さんはオーバーなのですよ。



いいえ。。。決してオーバーではありませんわ。 私の肋骨はマジでボキッと音を立てましたわ。 だから、こうして私は印象深く覚えているのですわ。


【卑弥子の独り言】



ですってぇ~。。。
デンマンさんは何につけても、ちょっとオーバーなのでござ~♪~ますわ。
だから、たぶんデンマンさんが小百合さんをハグした時には、きっと次のように拒絶されたのですわよう。



だから、もしあなたが男性であるならば、どうか優しく女性をハグしてくださいまし。
それがエチケットというものですわ。

ええっ。。。?
オマエは吹上温泉でデンマンと一緒に湯滝に浸った時、エチケットを忘れたじゃないか!?

あなたは、どうしてそのような事をおっしゃるのでござ~♪~ますか?



オマエは強羅温泉でもエチケットを忘れて、あらぬ姿をデンマンに見せたじゃないかア!



『衝撃の角度』

あらっ。。。あなたは、そのような事まで覚えているのですか?
いやでござ~♪~ますわ。 おほほほほほ。。。

とにかく、次回も興味深いお話が続きますわ。
だから、あなたも、また読みに戻ってきてくださいね。
じゃあ、また。。。






ィ~ハァ~♪~!

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こんにちは。ジューンです。

ベアハグ(Bear Hug)はアマチュアレスリング、プロレス、総合格闘技などの格闘技で使用される締め技です。

Wrestling's Bear Hugs





もちろん、上のイラストのように親愛の情を込めてハグする時にも「ベアハグ」と呼ぶこともありますが。。。

Panda & Bear Hug



相撲の決まり手の一つ「鯖折り」とも似ていますよね。

それでプロレスでは「熊式鯖折り」と呼ぶ人がいます。

近代プロレスではジョージ・ハッケンシュミットが得意とした技です。

ハッケンシュミットは帝政ロシア期のエストニア出身です。

彼の故郷では挨拶の際に非常に強く抱き合う習慣があったことからハッケンシュミットが得意とした締め技として「熊の抱擁」という呼び名が付いたと言われています。



ボディビルダーでもあり、怪力を誇ったジョージ・ハッケンシュミットのベアハッグからは逃げることは出来ないと言われました。

日本人では坂口征二、ストロング小林などが得意とした技です。

ダニー・ホッジが実際にレスリング見世物用に調教された熊と戦った際に、ベアハグを食ってあまりの怪力にどうにもならずにギブアップしたというエピソードがあります。

その熊は230kgぐらいでまだ子供だったとかで、「熊がどのくらい強いかいっぺんやってみたかったんだが、とても人間のかなう相手じゃないということがよくわかった」とホッジは語っています。

小熊だからといって馬鹿にできないですよね。

デンマンさんは、たぶんプロレスの見すぎで無意識に小百合さんの肋骨を締め付けたのだと思いますわ。

うふふふふふ。。。

ところで、デンマンさんが小百合さんの記事をまとめて

次のサイトを立ち上げました。

時間があったら下のリンクをクリックして

覗いてみてくださいね。

■ 『夢とロマンを持って前向きに生きる

小百合さんの物語』


では、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょうね。

じゃあね。




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