2013年4月26日金曜日

ヘチマ野郎

 
 
ヘチマ野郎
 
 

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デンマンさん。。。 今日はヘチマのお話ですか?



そうです。 興味がありませんか?

だってぇ~、「ヘチマ野郎」という言葉から、あまりいい印象を受けませんわ。

あのねぇ~、「所変われば品変わる」と言うけれど、このヘチマを食べるところがあるのですよ。

あらっ。。。 ヘチマってぇ~、「垢すり」にするのでしょう?

まあ、だいたい関東では、栃木の田舎も含めてヘチマはせいぜい「垢すり」にしかならないものですよ。


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それを食べる所があるのですか? 南洋か西インド諸島のどこかですか?



いや。。。 日本ですよ。

まさかァ~。。。? 「垢すり」を食べるのですか?

いや。。。 もちろん「垢すり」は食べませんよ。


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でも、こんなものを食べることができるのですか?



それが食べられるのですよ。 日本のどこかでは、もっぱら食べるものとしてマジで重宝がられているのです。

行田市でもヘチマを食べるのですか?

やだなあああァ~。。。 行田市では僕の知る限りヘチマを食べさせる所は無いですよ。 行田名物は「ゼリーフライ」ですからね。。。





行田市でないなら、いったいどの町でヘチマを食べるのですか?



どこだと思いますか?

北海道ですか?

いや。。。 南です。

じゃあ、沖縄ですか?

そうです。 ちょっと次の小文を読んでみてください。


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ヘチマはいま気の毒な立場にいる。
世間から忘れ去られようとしている。
かつては観賞用として愛でられた時代もあったし、化粧水としても重宝されてきた。
それからまた、アカスリとして一世を風靡したこともあった。
そう、ヘチマはヘチマなりにいい仕事をしてきたのである。

ところが、最近では栽培面積が急減し、ヘチマを見たことがない子どもまでいるという。
どうやら、ヘチマはいつしかすっかり時代遅れな存在となってしまったようである。

 (中略)

広辞苑のヘチマの項には「何の役にも立たぬもののたとえ」と書かれていたり、あるいはそんな人を「ヘチマ野郎!」などと呼んだりする。
まったくもって哀れな存在としかいいようがないが、しかし、これはあくまで内地の話で、沖縄にはヘチマをわるくいう人はいないのだ。
どうしてかというと、沖縄ではヘチマを食材として利用し続けてきたからだ。

というと「あんなものが食えるの?」と訝る人もいようが、なんのなんの、ヘチマにはいろんな料理がある。
沖縄ではヘチマはナーべーラー(語源はナベ洗い)と呼ばれているが、代表的な料理にナーべーラーンブシーというのがある。


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ンブシーとは煮物のこと。
幼果のときに摘んだヘチマを厚めに切り、豆腐や豚肉などといっしょに中火で炒め合わせるのだが、このときヘチマ自身がドゥージルという汁を出す。
このドゥージルこそ味の決め手となる汁で、ほんのりと上品な甘さがある。
いうなれば、これこそ天然の甘味料と言うわけで、味付けで使う味噌と実に相性がいい。
したがって、仕上がりは「ヘチマの甘味噌煮」といった案配となるのだが、しんなりとしたヘチマはトロリとしてのどごしがよく、それは美味。

(デンマン注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)



121-122ページ 『沖縄の人だけが食べている』
著者: 仲村清司
2003年7月25日 第1刷発行
発行所: 夏目書房



どうですか? 。。。 なんだか食べたくなるでしょう?



そうですわね。。。 食べてみたいですわ。 デンマンさん、私のためにナーべーラーンブシーを作ってくださいな。

いや。。。 僕は料理が苦手ですからね。 小百合さんが自分で作ってくださいよ。

私も料理が苦手なのですわ。 もっぱら食べる人ですわ。 うふふふふふ。。。

あのねぇ~、その「食べる人」で思い出したけれど、沖縄には本土ではあまりお目にかからない、料理しなくても簡単に食べられる「ポーク玉子おにぎり」というのがコンビニで売られているのですよ。


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これがその「ポーク玉子おにぎり」ですか?



そうです。。。 結構、旨そうでしょう!?

栃木の田舎のコンビニには見当たりませんわ。

たぶん沖縄だけで売られているのだと思いますよ。 上の本にも出ていたのです。 ちょっと読んでみてください。

誤解のないようにいっておくと、この場合のポークは豚の精肉ではなく、“ポークランチョンミート”という、豚のクズ肉をコンビーフ状固めた輸入缶詰のこと。
塩味がズドンときいたとても脂ギッシュな味で、米軍の戦時食として利用されたジャンキーきわまりない食べ物だ。
日本に輸入される量の9割以上を沖縄県内で消費する。


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ポーク玉子おにぎりはそのポークランチョンミートの薄切り半切れと塩味の玉子焼きをごはんでサンドしたおにぎりのこと。
外側を海苔で包んでいるので、見かけは確かにおにぎりだが、ポークと玉子焼きの間にケチャップが薄く塗られている。
このあたりの風情はいかにもジャンキーだが、沖縄ではこのポーク、玉子焼きに味噌汁とご飯をつけた“ポーク玉子定食”が全県下に普及している。


(pork902.jpg) 

(デンマン注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)



58ページ 『沖縄の人だけが食べている』
著者: 仲村清司
2003年7月25日 第1刷発行
発行所: 夏目書房



デンマンさんは沖縄で、この「ポーク玉子おにぎり」を食べたことがあるのですか?



いや。。。 残念ながら沖縄で「ポーク玉子おにぎり」を食べたことはないのですよ。 でもねぇ~、僕はバンクーバーではしばしば“ポーク玉子定食”を食べるのです。

あらっ。。。 バンクーバーに“ポーク玉子定食”を出す日本レストランがあるのですか?

いや。。。 僕の知る限りバンクーバーで“ポーク玉子定食”を出す日本レストランはありませんよ。

じゃあ、どこで“ポーク玉子定食”を食べるのですか?

あのねぇ~、すぐ近くのJoe's Suparmarket で“ランチョンミート (lunchon meat)” を買ってくるのです。


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これがその“ランチョンミート (lunchon meat)”ですか?



そうです。 これはビーフのクズ肉をコンビーフ状に固めたものなんですよ。 僕は豚肉の匂いが嫌いなので“ポークランチョンミート”は駄目なんです。

つまり、デンマンさんが自分で“ポーク玉子定食”ならぬ、“ビーフ玉子定食”を上の“ランチョンミート (lunchon meat)”を使って作るのですか?

作ると言うほどのことではないけれど、“ランチョンミート (lunchon meat)”を薄く切って炊き立てのご飯の上に乗せて、その上にケチャップをかけて食べるのですよ。 とにかくこれ以上簡単な料理はないというほど簡単ですよ。

でも、ご飯とケチャップという組み合わせは普通の日本人には“オエ~”ではありませんか?

そうかもしれません。 僕は、かなりカナダ文化の影響を受けてますからね。。。 こちらで生まれた日本人の子供の中には、炊き立てのご飯の上に砂糖をかけてその上に牛乳をかけて食べる子がいますからね。 初めて見た時には僕も“オエ~”でしたよ。 でも、今では不思議でも、なんでもないですよ。

そうでしょうか? ご飯の上にお砂糖なんてぇ。。。私は考えただけでも吐き気がしてきますわ。

あのねぇ~、カナダではコーンフレークに砂糖をまぶして牛乳をかけて食べますからね。


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そのつもりで、ご飯の上に砂糖をまぶして牛乳をかけて食べるようになったのだと思うのですよ。 たぶん。。。



【卑弥子の独り言】



ですってぇ~。。。
コーンフレーク (corn flakes) は、とっても便利な食べ物でござ~ますわ。
トウモロコシを加熱調理した上で長さ1cm程度の薄い破片に成型、砂糖などで味付けをした食品ですわ。
あなたも食べたことがあるでしょう?

器に盛って牛乳や豆乳をかければすぐに食べることができますわ。
あたくしもバンクーバーに行った時には朝食によく食べましたわ。

どうしてこのような食べ物が生まれたのかしら?
そのような疑問が浮かんできたことはござ~ませんか?

時は1894年。
ミシガン州バトルクリーク(Battle Creek)のバトルクリーク・サナトリウム(Battle Creek Sanitarium)を監督していたケロッグ博士は、セブンスデー・アドベンチスト教会の教義に合致した、厳格な菜食主義の病人食を作っていたのですってぇ~。。。
ケロッグと弟のウィル(Will Keith Kellogg)は、小麦粉を練ってローラーで引き延ばし、薄いパン生地の病人食を作っていました。
ところが、しばらく放置された結果、パン生地になるはずの小麦が乾燥してしまったのです。

捨てるのはもったいないので、生地をそのままローラーで引き延ばしたところ、フレーク状のものができました。
これを患者たちに与えたところ好評だったのです。

これは1894年4月14日の出来事とされています。
兄弟は同年5月31日に、「グラノース(granose)」という名前でこの食品の特許を登録したのです。


(cornflake3.jpg) 

これがコーンフレークの始まりですってぇ。。。

とにかく、明日もデンマンさんが興味深い記事を書くと思いますわ。
だから、あなたも、お暇なら、また読みに戻ってきてくださいまし。
じゃあねぇ。





ィ~ハァ~♪~!

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こんにちは。ジューンです。

ところで「かぎろい」という言葉を聞いたことがありますか?

『万葉集』巻(まき)1の48番に柿本人麿(かきのもとひとまろ)の有名な「かぎろい」の歌があります。

東(ひむがし)の

野に炎(かぎろひ)の

立つ見えて

かへり見すれば

月傾(かたぶ)きぬ


あまりにも有名な歌ですよね。

あなたも聞いたことがあるでしょう?

次のような意味です。



東方の野には曙(あけぼの)の光がさしそめるのが見えて西を振りかえると月が傾いて淡い光をたたえている。



(『万葉集』日本古典文学大系、岩波書店)

「かぎろい」は『古語辞典』(岩波書店)では、まず「揺れて光る意。 ヒは火。 炎」とあり、また「立ちのぼる水蒸気に光があたり、光がゆらめいて見えるもの」とし、「陽炎(かげろう)、地面が熱せられたときに見られる」の意をあげています。

さて日の出前には日中、私たちがよく見る陽炎のようなものは出現しないので、「陽炎説」は成立しません。

「かぎろい」は万葉集では「炎」という字があてられていることに注目してください。

「かぎろい」には、これまで天文学的に意味のある説が二つあります。

その一つは、戦前、中山正実画伯が「かぎろい」にちなむ大作「阿騎野(あきの)の朝」を描くにあたってなされた考証にもとづくものです(中山説)。

それによれば柿本人麿の「かぎろひ体験」は、場所(東経135°.9、北緯34°.4)だけでなく、日時をも特定できるという驚くべき説で、持統天皇の朱鳥(しゅちょう)6年11月17日(ユリウス暦ではA.D.692年12月31日)、午前5時50分(日本標準時、日の出前約1時間)、月は望(満月)をわずかに過ぎて西の地平線の上10°の高さにあったというのです。

中山説は、このときの東の空の現象が「かぎろい」だとするものです。

驚きですよね。

どうして、1300年以上も前の時刻まで突き止めることだできるのでしょうか?

実は、誰でも簡単に突き止めることができるソフトがあるのです。

「天文シュミレーション・ソフト」とか「プラネタリウム・ソフト」と呼ばれているプログラムです。

関心があったら、次の記事を読んでみてください。


■ 『かぎろいの謎』

■ 『かぎろいの誘惑』


ところで、これまで書いた小百合さんの記事を集めて

デンマンさんが一つにまとめました。

もし、小百合さんの記事をまとめて読みたいのならば、

次のリンクをクリックしてくださいね。

『小百合物語 特集』



とにかく、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしてくださいね。

じゃあね。



 

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