2013年9月23日月曜日

鍋かむり祭り


   
 
鍋かむり祭り


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デンマンさん。。。 どうして あたくしに お鍋(なべ)をかぶせたのでござ~♪~ますか?


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卑弥子さんは鍋が嫌いなのですか?

お鍋が嫌いというよりも、お鍋をかぶるということが常識はずれではござ~ませんかア!

あのねぇ~、実は、夕べ バンクーバー図書館から借りていた美術の本をパラパラとめくっていたのですよ。 


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この本の85ページを見たら次の絵が描いてあった。


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あらっ。。。 左側の女性は お鍋をかぶっているのですわね。。。



そうです。。。 鍋を5つ重ねてかぶっているのですよ。

どうして お鍋を5つも重ねてかぶっているのでござ~ますか?

あのねぇ~、説明を読むと次のように書いてある。

鍋冠祭図押絵貼屏風

久隅守景 17世紀後半

鍋冠祭とは滋賀県米原町の筑摩神社に伝わる奇祭で、毎年5月3日に行われるという。
祭りの当日、土地の女性たちは、それまでに関係した男の数だけの土鍋をかぶって神社に参詣することが義務付けられ、もしもその数をごまかすと神罰が下るという。

右側のお福さんのような女性は1個もかぶらず、左の女性が5個重ねるというのが笑えるではないか。

赤字はデンマンが強調。)



84 ページ 『狩野派決定版』
(別冊太陽 日本のこころ 131号)
監修 山下裕二
2004年10月13日 初版第1刷発行
発行所: 株式会社 平凡社



これを読んでね、もう一度「お福さん」の表情を見たら、思わず噴出(ふきだ)してしまいましたよ。


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いやですわァ~。。。 つまり、「お福さん」はブスだったので、誰にも相手にされず、そのために お鍋を一つもかぶることができなかったのですわね!?



そうなのですよ。 確かに笑えますよう。

それは「お福さん」を侮辱していることになりますわ。 女性の人権を蹂躙しています。

卑弥子さん。。。 それ程ムキになることでもないですよ。 上の絵は17世紀後半に狩野派でも ちょっと変わった画風を確立した久隅守景(くすみ もりかげ)が描いたのですよ。 人生を楽しく笑い飛ばすような雰囲気が出ていて僕は好きな絵ですよ。

。。。んで、久隅守景とゆう人はどのような人なのでござ~ますか?

『ウィキペディア』には次のように書いてあります。

久隅守景 (くすみ もりかげ)

久隅守景(生没年不詳)は江戸時代前期の狩野派の絵師。
通称は半兵衛、号は無下斎、無礙斎、一陳斎。
狩野探幽の弟子で、最も優秀な後継者。娘に閨秀画家として謳われた清原雪信がいる。
その画力や寛永から元禄のおよそ60年にも及ぶ活動期間、現存する作品数(約200点)に比べて、人生の足跡をたどれる資料や手がかりが少なく謎が多い画家である。

若くして狩野探幽守信の門に入り、神足常庵守周、桃田柳栄守光、尾形幽元守義と共に四天王と謳われた。
後の『画乗要略』(天保8年(1831年))では、「山水・人物を得意とし、その妙は雪舟と伯仲、探幽門下で右に出る者なし」と評されている。
前半生は狩野派一門内の逸材として重きをなした。
その現れに、探幽の妹・鍋と結婚していた神足常庵の娘で、探幽の姪にあたる国と結婚し、師の一字を拝領して「守信」と名乗っている。

守景には一男一女がおり、二人とも父を継いで絵師になったが、寛文12年前後に息子の彦十郎が、悪所通いの不行跡などが原因で狩野家から破門され、さらに罪を得て佐渡へ流される。
また、娘の雪信も同じ狩野門下の塾生と駆け落ちをするといった不祥事が続く。
これが切っ掛けとなって狩野派から距離を置き、後に金沢に向かい、そこで充実した制作活動を送った。

彼の代表作である『夕顔棚納涼図屏風』(東京国立博物館蔵)や『四季耕作図屏風』(石川県立美術館蔵 重要文化財)はこの時期の作品と推定され、農民の何げない日常の一コマや生業のさまなどを朴訥な作風で描き、守景独自の世界を切り開いた。


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『夕顔棚納涼図屏風』


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晩年は京都に住み、古筆了仲の『扶桑画人伝』(明治21年(1888年)刊)では、藤村庸軒らの茶人と交わり茶三昧の生活を送ったと記されている。
しかし、制作活動は最晩年に至るまで衰えず、『加茂競馬・宇治茶摘図屏風』(大倉集古館蔵 重文)など老いを感じさせない瑞々しい作品を残している。
元禄11年(1698年)に庸軒の肖像画を描いたとされ、この後に亡くなったと推定される。

師・探幽とは異なり、味わいある訥々な墨線が特徴で、耕作図などの農民の生活を描いた風俗画を数多く描いた。
探幽以後の狩野派がその画風を絶対視し、次第に形式化・形骸化が進むなかで、守景は彼独自の画風を確立したことは高く評価される。
彼の少し後の同じ狩野派の絵師で、やはり個性的な画風を発揮した英一蝶と並び評されることが多い。



出典: 「久隅守景」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



なるほどォ~。。。 息子の彦十郎が、悪所通いの不行跡などが原因で狩野家から破門され、さらに罪を得て佐渡へ流される。 また、娘の雪信も同じ狩野門下の塾生と駆け落ちをするといった不祥事が続く。。。 子供のことで苦労して、それで久隅守景さんは晩年を京都に住んで のんびりと暮らしたわけでござ~ますわねぇ。 でも、“ブス”の「お福さん」を笑い飛ばすようなユーモアは、現代では女性蔑視につながると思いますわ。 



卑弥子さん。。。 それ程深刻に考えないでくださいよ。 たぶん、久隅守景は「鍋冠祭」という奇祭を目にして、その中にユーモアを感じ取って絵にしたのですよ。 “ブス”を表現したのではなくて、人生に“ユーモア”を感じて、好ましく思って絵の中に取り上げたのですよ。

そうでしょうかしら?。。。んで、この事をデンマンさんは言いたかったのでござ~ますか?

もちろん、久隅守景の画風にも惹かれたけれど、現在も「鍋冠祭」では、女性が土鍋をかぶって参詣するのだろうか? ちょっと気になって調べてみたのですよ。


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鍋冠まつり (パートⅠ)


鍋冠まつり (説明つき)






やっぱり、現在では、それまでに関係した男の数だけの土鍋をかぶって神社に参詣するということは女性の“プライバシーの侵害”になるのでやってないようですよ。 その代わりに、小さな女の子が鍋をかぶって出てきます。



そうでしょうねぇ~。。。 成人女性が一つもかぶれないのは なんとなく恥ずかしいし。。。 そうかと言ってぇ、5つも6つも重ねてかぶるのも破廉恥ですわよねぇ~。 うふふふふふ。。。

もし、今でも伝統的な「鍋冠祭」が行われていたとしたら、卑弥子さんはいくつの鍋をかぶることになるのですか?


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あらっ。。。 デンマンさんは あたくしが 6人の男性と契りを交わしたと信じているのでござ~ますか?



いや。。。 少なすぎると卑弥子さんが不満を言うと思って 6つの鍋を描きいれたのですよ。

あたくしは、そのような ふしだらな女じゃござ~ませんわ。 結局、あたくしのオツムに 6つの鍋をかぶせたいばっかりに「鍋かむり祭り」というタイトルにしたのでござ~ますか?

いや。。。 実は、「鍋かむり祭り」という奇祭があると知って 日本の“三大奇祭”に興味を持ったのですよ。

あらっ。。。 “日本三大奇祭”というのが あるのでござ~ますか?

あるのですよ。 次のビデオ・クリップを見てください。


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日本三大奇祭





でもねぇ、どの祭りを「日本三大奇祭」とするのか? それは人によってだいぶ異なるのですよ。



「日本三景」と言えば 天橋立(京都府宮津市)、松島(宮城県松島湾)、宮島(広島県廿日市市)と決まっていますけれど、「日本三大奇祭」には定番はないのでござ~ますか?


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なさそうです。 御柱祭(長野県諏訪市、諏訪大社)、なまはげ(秋田県男鹿市)、吉田の火祭(山梨県富士吉田市、北口本宮冨士浅間神社)を挙げる人が多いのだけれど、その他にも 島田帯祭(静岡県島田市)、会陽(裸祭り: 岡山市東区、西大寺)、黒石寺蘇民祭(裸祭り: 岩手県奥州市、黒石寺)、吉良川の御田祭(高知県室戸市、御田八幡宮)、鍋冠祭(滋賀県米原市、筑摩神社)、裸押合大祭(新潟県南魚沼市、普光寺毘沙門堂)、悪態まつり(茨城県笠間市、愛宕神社)を三大奇祭の一つに数える人も居るのですよ。


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【奇祭】秩父ジャランポン祭り



奇祭・ガッチ祭り

(松江市島根町野波・日御碕神社)



奇祭 盛岡まぐわい祭



奇祭!御殿場わらじ祭り

大わらじ神輿を担ぐ未婚女性たち






あらっ。。。 ずいぶんと、いろいろな奇祭があるのでござ~ますわねぇ。。。



卑弥子さんは、どの奇祭に参加したいですか?

あたくしは、もちろん、未婚の女性たちが“大わらじ神輿”を担ぐ「御殿場わらじ祭り」に参加したいですわ。 デンマンさんは、どの奇祭に参加したいのでござ~ますか?

僕はもちろん、勇壮な“裸まつり”がいいですよう。


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【小百合の独り言】


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ですってぇ~。。。 
あなたは、どの奇祭に参加したいですか?

私はどちらかと言うと参加するよりは見て楽しむほうですわ。

ところで、卑弥子さんは見かけによらず、京都の女子大学で腐女子に「日本文化と源氏物語」を講義している橘卑弥子・准教授という肩書きを持っています。
卑弥子さんの面白い話をもっと読みたい人は
下のリンクをクリックして読んでみてくださいね。


『感じてストで和露他』

『笑える漢字クイズ』

『哀れなネアンデルタール』

『佐伯今毛人は臆病者か?』

『笑わせる漢字でござ~ます』

『卑弥子@婚活』

『プロメテウスの第2の火』

『うむうむ、ふむふむ人間』

『コギャルと甘え』

『癒しと水墨画』

『東電八分』

『怒りっぽいあなたに』

『床上手だよ!』

『床上手@docomo』

『漢字で体操ざ~ます』

『曲屁(きょくべ)』

『天神様と東日本大震災』

『日本は良い国か?』

『日本を良い国に…』

『エロい熟女』

『アッと驚くマキアベリ!』

『良寛さんの顔』

『あなたの中の阿修羅』

『蝦夷って悪い意味?』

『伎楽は呉の音楽?』

『呉越の謎』

『紅のボートピープル』

『蕎麦屋と忠臣蔵』

『ピンクと桃色』

『妻の不貞』

『卑弥子さん、ご指名ですよ!』

『カン違い大岡越前』

『ロマンのカシオペア』

『カシオペアの現実』

『エロい徳子を探して』

『紫式部と皇国史観』

『エロい道鏡と薬師如来』

『天平の麗しき淑女』

『元からの饅頭』

『なぜ唐に留まったの?』

『下着美人』

『一所懸命』

『ねぇ、ねぇ、ねぇ効果』

『遊女と三つ子』

『布袋さんの魅力』

『今、エジプトに?』



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